【捨て物語】アニメ企画プロット「√Octagon〜オクタゴン〜」第3部
~2029年12月7日
ヴァルプルギスの夜。のちに第四次世界大戦と呼ばれるこの戦いは壮絶を極めた。
魔王イブリースが深淵の闇から呼び覚まされ、イブリースによって引き起こされるあらゆる災厄は世界を再び焦土化していった。
革命組織デュランダル、政府組織ヴァルハラ両軍は、イブリースの脅威に対して宿命的に現在の対抗限界を悟り、互いの頭首である一木と八乙女は軍事同盟を結び、科学と魔法の相乗戦闘によってイブリースに対する臨時共同戦線を引くこととなる。
絶え間ない戦闘の中で黒五八白は、幾多の歴戦を通して成長し、
ヴァルプルギスの戦いの最中についに彼女の能力が白日のもとに照らされることになる。
ウーニウェルスム
アポカリプスのすべての能力を吸収し会得し、
この世の因果や帰納を白光のもとに明らかにし、
演繹をもって能力を宇宙へ追放し自然の神羅と万象を統べる希望こそ、
黒五八白が持つウーニウェルスムの潜在能力だったのだ。
峻烈を極めたヴァルプルギスの戦いで、ヴァルハラの軍事施設、科学兵器が次々と破壊される一方で、革命政府の頭首である一木をはじめとして多くのアポカリプスもまた、魔王イブリースとの戦闘で死傷し、命を絶っていった。
しかし、八乙女影久、黒五八白の活躍によって、7人のアポカリプスのチカラを結集させ無限の質量と重力を持った絶対空間(ヘプタゾーン)を作ることで、天界からグングニルの槍を地上に引き寄せることに成功し、ついに魔王イブリースを虚無の世界に陥れたのだった。
が、その最終決戦で政府組織ヴァルハラの統率者である八乙女は瀕死の重傷を負う。
黒五八白は、八乙女を救うためにウーニウェルスムのチカラを使って、
時空、治癒、重力、天地全霊の祈りをもって八乙女に聖なる加護を捧げた。
ウーニウェルスムの能力の爆発は、世界を覆う死の灰の空から一筋の光り
を導き入れ、八乙女に再び生命の灯を取り戻させたのだった。
しかし、極限まで能力を使い果たした黒五八白からは生気が消え、
体表、髪、殆どが白色化し、彼女の姿体から輪郭線は消え、
手の甲のブレスの赤、瞳のアイリス以外、すべての色彩を彼女の体から奪った。
と同時に、ウーニウェルスムの能力も消失したのだった。
―2031年
奇跡の復活を遂げた八乙女影久は、イブリース討伐の後も革命政府との共同戦線を解消せず、アポカリプスと共闘のうえウッドガルドに住まう魔物の掃討戦を行うとともに、政府軍の旧来の組織体系を解体した後、彼に集約されていた科学兵器への命令系統をすべて停止させた。
八乙女の下した最後の審判によって、科学兵器や殺戮ロボット、対空用戦闘ドローンはその任務を終え停止し、その使命を終えたかに見えた。
その数日後、人間の希望が打ち捨てられる現実が現れる。
停止していたはずの科学兵器が次々と再起動し、自律的な運動は数理を超えたプログラムの異常活性を起こすと再びミッドガルドに殺戮ロボットが群れをなして襲いかかったのだった。
第4部に続く